主な皮膚病の説明

主な皮膚病アトピー性皮膚炎じんま疹帯状疱疹水虫いぼ粉瘤
ここでは主な皮膚病の説明をおこないます。
アトピーとはギリシャ語のatopia(奇妙な、不思議な)から来ています。
かゆみを伴う湿疹が肘窩や膝窩を中心に認められ、慢性的な経過を取る病気です。
まだ原因がはっきりしていませんが、皮膚の乾燥とバリア異常が根本にあると考えられています。
したがってスキンケアをきちんと行うことが必要です。
    じんま疹は皮膚の一部が赤く盛り上がりしばらくすると消えてしまう病気です。
じんま疹は漢字で蕁麻疹とかきます。これは蕁麻(いらくさ)という草に触れると同じような皮膚症状をおこすことから名付けられました。
 じんま疹は特定な食べ物がきっかけで生じることもありますが、感染、疲労、ストレス、薬剤など様々な原因で生じることか多いです。しかし原因がわからないことのほうが多くあります。
 帯状疱疹(Herpes Zoster)とは発赤や水疱(Herpes)が帯状に出て痛みを伴う病気です。
皮疹が改善しても、痛みが残ることがあります。(帯状疱疹後神経痛)(zosterはギリシャ語の帯に由来してます。)過去に感染した水痘・帯状疱疹ウイルスは体に潜伏しています。通常は体に害を与えませんが、過労などで免疫機能が低下すると再活性化し皮膚だけでなく神経や他の臓器にも障害を与えます。帯状疱疹の治療の基本は抗ウィルス薬ですが、皮疹がでてから早期に内服する必要があります。それにより皮疹の拡大をふせいだり、痛みを軽減させたり、帯状疱疹後神経痛をある程度防ぐことができます。
 日本では80歳までに約3人に1が帯状疱疹になるといわれ、そのうち7割が50歳以上です。帯状疱疹を予防するためのワクチンがあり日本では50歳以上に接種できます。ワクチンで完全に予防はできませんが帯状疱疹の発症をおさえ、もし罹患しても帯状疱疹後の発症を抑える効果があります。当院でもワクチンの接種が可能ですので、希望があれば職員にお尋ねください。
  水虫(足白癬)は湿った足に発症することが多いため、水の中の虫にさされて発症する病気と考えられたため、水虫と名づけられたと言われています。しかし実際は白癬菌とよばれるカビの一種が角質に感染して生じる病気です。足白癬は外用薬を塗布すれば治りますが、治らない場合は塗る範囲が狭かったり、塗る期間が短かったりすることが多いです。しかし爪に白癬菌が感染していると治療まで時間がかかることが多くあります。
   “いぼ”は皮膚に突起した小さな塊を指すものです。
   “いぼ”には様々な皮膚病が含まれていて、手や足にできる尋常性疣贅や、 表面がつるつるした水いぼ(伝染性軟属腫)、中年以降にみられる脂漏性角化症 など様々にあります。それぞれ治療法が違うのでしっかりとした診断が必要です。

  “水いぼ“は自然と消える病気ですが、治癒するまで時間がかかることが多いです。イボを取る治療がありますが、痛みが強いです。塗り薬により治療もありますが保険外になります。詳しくは職員にお尋ねください。

    粉瘤(ふんりゅう、アテローム)は、脂肪の塊とも呼ばれていますが、実際には皮膚の脂と角質が皮膚の中にできた袋にたまった’できもの’です。アテロームはラテン語で粥状の’できもの’という意味です。
 粉瘤は皮膚科で診察に来られる’できもの’で最も多く見られるものです。皮膚の良性の’できもの’です。強く圧迫すると悪臭のする物質をだすことがあります。また化膿して赤く腫れ上がることが有ります。

主な検査の説明

主な検査ダーモスコピー検査エコー検査アレルギー検査パッチテスト
ここでは当院で行える検査の説明をおこないます。
 ダーモスコープと呼ばれる特殊な拡大鏡を用いて皮膚を観察する検査です。 ただの拡大鏡でなく偏光ライトをあてることで、皮膚を詳細に見ることができます。
 ゼリーを皮膚につけて見る器械もありますが、当院では偏光LEDを使ったダーモスコープを使い、ゼリーで皮膚が汚れることなく観察できます。
 エコー検査とは、超音波を対象物に当てて、その反射(エコー)を映像化する画像検査法です。
放射線被曝がなく安全で短時間に検査することができます。超音波とは人が聞こえる音よりも高い周波数の音のことを言います。当院では22MHzという高い周波数で検査をできる機器をもちいることで、浅い部分を詳しく見ることができます。そのかわり内蔵など深い部分は見ることができません。
 アレルギー検査はアレルギー疾患の原因と考えられるアレルゲンを見つけるためにおこなわれる検査です。
 皮膚に直接アレルゲンのエキスを貼るパッチテスト、皮膚をひっかき(スクラッチ)そこにアレルゲンの液をつけるスクラッチテスト。採血してアレルゲンに対するIgE抗体があるか調べる検査などがあります。
 アレルギー症状や検査するアレルゲンによって検査方法が変わります。また検査で陽性がでてもアレルギー症状の原因かどうかはっきりしないことがあります。
 パッチテストは特定の物質に対するアレルギー反応の有無を調べる検査の一つです。接触皮膚炎(かぶれ)や金属アレルギーがあるときに使われます。
<検査方法>
1.検査する物質を背中や腕の内側に貼ります。
2. 48時間後(2日後)に病院を再診しテープを剥がします。
3. 剥がしてから30分程度待ってから、貼った部分が赤くなっているかどうかを見て判定します。 (テープを剥がした直後は皮膚が赤くなっていることがあるため少し時間をおいてから判定します。)
4. 遅れて反応が出てくることもあるため、96時間後(3日後)、1週間後にも判定を行います。
 当院では金属パッチテスト試薬(15品目)と本邦標準アレルゲンが含まれるパッチテストパネルを用意しております。